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インテリアを引き立たせる椅子、ソファーの歴史、種類や選び方

インテリアを引き立たせる椅子、ソファーの歴史、種類や選び方

生活家具として、インテリアとして、椅子は欠かせない存在です。椅子に腰掛け、もしくは寝転んで寛ぎのひとときを楽しんでいる人も、少なくないことでしょう。そんなとき、質の低い、もしくは好みに適さないような椅子であれば、リラックス感は半減してしまうといったところでしょう。より高いレベルでの寛ぎを実現したいのであれば、ぜひ種類にこだわってみてください。ただ座る、腰掛けるだけの存在といえ、椅子には多様な種類があります。それぞれに特徴や用途、魅力があるため、選び方がとても重要となってくるのです。以下では、代表的な椅子をご紹介しています。椅子選びに活かせる情報となるので、お役立てください。

椅子の歴史

椅子の歴史としては大変古く、古代エジプト、ギリシャローマ時代から椅子の存在は確認されていますがデザイン要素が盛り込まれて椅子作りが始めたのが、ビザンチン・ゴシック時代からのようです。ビザンチン・ゴシックの時代には、椅子の作りにも教会建築の要素が多く取り入れられました。それらの椅子は直線的でシンプルなものでしたが、硬くて冷たかったため、本当に腰掛けるためだけの道具という感じでした。なので、ゆったりとリラックスすることはできなかったのです。ルネサンス時代になると、格式ばった堅苦しいスタイルから、ローマ時代に多く見られたような装飾が、盛んに施されるようになりました。背もたれや座面にビロードなどを使い、座り心地の良さも考えられるようになっていきます。
新しい技術や素材が次々と開発されていく中で、1890年代から1910年頃には、ヨーロッパを中心に「アール・ヌーヴォー」と呼ばれる美術運動が展開されました。この「アール・ヌーヴォー」の特徴は、“曲線のみのデザイン”で、展覧会などでも注目を集めました。 ですが、その後1900年に行われたパリ万国博覧会をピークに、その人気は徐々に衰退していくのです。
日本には、弥生時代前期に丸太をくり貫いたものがあり、それが最古の椅子とされています。そのほか、中国から伝わった胡床(あぐら)や武士が野戦の際に使った折りたたみ椅子などもありました。けれど、生活様式が床座中心だったため、あまり椅子が人々に浸透しませんでした。 その後、日本で椅子の文化が始まったのは、明治維新以降(1878年頃以降)と言われています。こうして、日本人の生活様式も次第に西洋化していき、椅子が大勢の人に受け入れられるようになりました。

椅子の種類と特徴

椅子は形状や使用用途、つくりなどによって名称の呼び分けがされています。もちろん、一般的な家庭で使う椅子をひとつ購入するにあたり、全種類覚えなければならないといったわけでもありませんが、より適切な選び方に繋げられるでしょう。また椅子という家具の奥深さを知ることで、さらなるこだわりも生まれてくるかもしれません。寛ぎ度合いはもちろん、健康や心のリラックスをも左右する存在なので、とことん追及してみてはいかがでしょうか。

【椅子全般の種類紹介】
ビニールレザーとは、合成皮革の1つで、いわゆる塩化ビニールを使用して作られた素材のことで、PVC「Polyvinyl chloraide(ポリビニールクロライド)」の略称です。織物や編み物の生地表面に、ポリ塩化ビニール樹脂などを塗布したもののことを言います。

質感も、ビニール素材らしさがあり、硬くツルツルとした肌触りで、少しテカりがあるのが特徴です。本革やソフトレザーに比べると安価なため、家具だけでなく、バッグなど様々なものに使用されています。
また、加工性が高いため、カラフルな色に仕上げることが出来、よりファッショナブルな椅子やソファを作ることが出来ます。

・イージーチェア
名称の「イージー」は、座り心地の楽さを表しています。その名の通り、座りやすい座面やひじ掛け、そして適度に傾斜した背もたれが特徴的となっています。一人がけなので、書斎や窓辺に置く読書椅子、またいくつか並べてリビングでのひと時用に使ってもよいかもしれません。シンプルなタイプなので、あらゆる用途を見出すことができます。イージーな座り心地から、日本名では休息椅子、安楽椅子と呼ばれる場合もあるので、購入時には少し注意して探してみてください。

・ラウンジチェア
イージーチェアよりもさらにゆったり感が増した印象となっているのが、このラウンジチェアです。それこそ、ラウンジでのリラックスした会話や寛ぎのひとときを演出する上で適した椅子となっており、心も体も休ませられます。特徴としては、傾斜角度の大きい背もたれで、ゆったりと体重を預けられます。また中には、オットマンこと足掛けがセットになっているものもあり、体のみならず足の疲れまでもを癒せます。

・シェーズロング
シェーズロングは、椅子に含まれはするものの、ほとんど座るよりかは寝る姿勢を主としたものです。形は、平面のベッドの腰部分に緩やかな湾曲が作られたようなタイプで、枕のようなクッションがつく場合もあります。座って寛ぐことはもちろん、実際寝るために使う上でも長方するでしょう。また膝関節部分あたりは逆にくぼんだ形となっており、オットマンのように脚を休ませられる形状も特徴的です。とにかく、体全体を楽に休ませたいときに適した椅子といえます。

・ロッキングチェア
一般的な椅子はしっかりとした脚部分によりぴったりと固定されていますが、ロッキングチェアはあえて先端を湾曲させ、揺れ動く設計となっています。これにより、重心を軽く移動させることで程よい揺らぎが生まれます。長時間同じ姿勢を保っていると疲れてきますが、これなら自然に緩やかな動きを生み出せるので楽に感じられます。古くから、木製タイプのものが主流として使用されてきましたが、近年はモダンタイプにロッキングチェア仕様を取り入れたものもいくつか見られます。金属、プラスチックを素材として、スタイリッシュさと昔ながらの味わいを融合したようなタイプです。またリラックスしたいとき用のみならず、パソコンデスクなどに備え付ける作業椅子としてロッキングチェアの仕様が取り入れられているものもあります。長時間座っていても疲れにくいという特長が、大いに活かされています。

・ダイニングチェア
食事テーブルに備え付ける、いわばダイニング向けの椅子です。リラックスするためではなく、あくまで食事が目的であるため、上記までの椅子とは異なりクッション性が抑えられており、また背もたれに傾斜を持たせていない点が特徴的です。食事をする上で、背後への傾斜はむしろ邪魔な特徴となるためです。素材、デザインが共にシンプルで、食事の彩りにあまり影響しないようなタイプが多い点も印象的です。

・ソファー
特殊な名前の椅子もいくつか紹介してきましたが、このソファーに関しては日本でも広く知られた存在かと思われます。クッション性の高い長椅子形状になっており、家族や友人、パートナーなどとの複数人におけるだんらんのひとときを演出します。長椅子というジャンルもありますが、ソファーの方が羽毛やウールといった詰め物が充実しており、ゆったりできるつくりとなっています。また近年は組み方や背もたれを工夫することで、ベッドやオットマン風に変えられる変形ソファーも多く登場してきています。

・オフィスチェア
その名の通り、オフィスで使用することに適した椅子です。ダイニングチェアと同様に、寛ぐことが目的ではないため、クッション性や傾斜は抑えられているのが特徴です。リラックスし過ぎてしまうと、逆に仕事や作業への集中を失ってしまうかもしれないため、あえてシンプルな形状となっています。逆にオフィスチェアならではなのが、高さの調節が容易になっている点です。自分に合った高さで使うことにより、より作業がしやすくなります。また、仕事中とはいえときには息抜きしたい瞬間も訪れるものです。そんなときのため、簡単に操作できるリクライニングが取り入れられているものもあります。シンプルなもの、スタイリッシュなものが多く、逆にレトロさやアンティーク性を求めたものは少ないです。

・スツール
バーなどでよく見かける、脚が高く座面のみが取り付けられているような椅子をスツールと呼びます。脚の短いものをスツール、長いタイプはハイスツールと呼び分けることもあるようです。スタイリッシュな印象になっており、機能としても座ることのみに特化され、スマートな印象です。背もたれがついている場合もありますが、腰元のみが当たるような飾り程度です。

・ベンチ
最後に、家庭用の椅子とは少し毛色が異なりますが、街中でよく見かけられるベンチについても紹介しておきます。複数人が座る長椅子という点に関しては、ソファーにも近い存在ですが、こちらの場合クッション性はほとんど取り入れられていることがありません。電車やバスの待ち時間や、ちょっとした休憩に利用することが目的であるため、あくまで簡易的な休憩椅子となっています。ベンチならではの特徴としては、多くの人が使う、屋外に設置されやすいといった理由から、耐久性にこだわられている点でしょう。作りや材質もしっかりとしているものが多く、長期仕様や雨風による劣化がおきにくいです。

【ソファーにおける歴史や細かな種類分けについて】
上記の椅子の種類において、そのひとつとして紹介したソファーですが、ソファーというジャンルの中でもいくつかに種類分けができます。椅子製品の中でも特に人気がある存在なだけに、ベストな買い物ができるようぜひそれぞれの特徴を知ってみてください。

ソファーの歴史

まず、発祥の期限は18世紀の「フランス」とされており、当時の王侯貴族がゆったりと会話を楽しむために広まったとされています。
「王侯貴族」の仕事は人間関係の形成が最優先事項であり、そんなときに相手との距離を縮める場に「ソファー」の快適な座り心地の良さが適してしたのでしょう。
それ以上に、自分の「ステータス」を確認する意味でソファーに「装飾」をほどこしていたという記録もあります。
ヨーロッパ意外にも、「アラブ圏」のトルコには「devan(ディバン)」というソファーに似たものが存在し、足掛けで有名な「Ottoman(オットマン)」はかの「オスマン帝国」に由来しています。
イスラム圏、キリスト教圏の文化が交わって育まれてきた家具がソファーという事なのかもしれません。

元々ソファーというのは洋の東西でいえば、西洋の文化にマッチした家具なのかもしれません。日本の文化で昔からソファーが普及しなかった理由として特徴的な事といえば「家で靴を脱ぐ」という習慣でしょう。
そして、ソファーの普及した地域では「室内でも靴を履きっぱなし」という事が当たり前でした。
足が臭くなりながらも頑なに靴を脱がない西洋人には、ソファーというのは靴を履きながらもくつろげる限られたスペースだったのでしょう。
それに対して日本人は室内で靴を脱ぐので床全てがくつろぎスペースでした。

今では日本でも欧米の文化が流入し家でソファーに座る人が増えました。
そして、最近では日本人のライフスタイルにマッチした「ローソファー」という座布団とソファーのハイブリッドタイプまで出現しているようです。
そういう意味では、長い歴史を経てソファーは洋の東西問わずワールドワイドな家具になってきたのかもしれません。

ソファーの種類

・カウチソファー
家によく置いてある、家族がのんびり寛げるようなソファーを想像したとき、多くの人が思い浮かべるのはこのタイプでしょう。形状は特に統一されていませんが、とにかく絶妙なクッション性があり、一度寛ぎだすとなかなか立ち上がれなくなるような、そんなタイプを指します。そういえる理由としては、アメリカの俗語表現がもとになった言葉、「カウチポテト族」が挙げられます。これは、カウチソファーに寝転んで寛いで、だらだらと長時間その状態でいる様子が、まるでじゃがいものように見えることから作られた言葉です。リラックス感を追及されたカウチソファーに一度寝転べば、あなたもカウチポテトと化すこと必至です。またその他、カウチソファーでだらだらポテトチップスを食べ続ける人といった意味合いもあるようです。

・ローソファー
見た目や感触はカウチソファーにも似ていますが、こちらは名称にもある通り、脚が低いタイプのソファーとなっています。これにより得られるメリットは、座り心地はもちろんのこと、空間全体のすっきり感です。脚が低ければ、その分空間を占めるソファーの割合も少なくなるため、部屋がより広く感じられます。また座ったり寝転んだりしたときに、天井が高く感じられる点も嬉しい特徴でしょう。比較的狭い部屋にも置きやすく、規模にかかわらず役立てやすいです。また軽いものが多いため、力に自信のない人や女性、お年寄りでも動かしやすいので、模様替えなども自在にできます。

・ソファベッド
前述までにも何度か取り上げているワードですが、こちらも外せない種類のひとつです。ベッド代わりにもなるソファーとなっており、ゆったり寛ぎながら、自然と眠りに就けます。特徴としては、背もたれの傾斜がゆるやかになっている、クッション性が高いつくりである、またリクライニング機能により、完全に平面化することができるといった部分です。ソファーをベッド代わりにできることはもちろん、それこそソファーとベッド両方の役割をひとつで果たせる、一石二鳥家具として役立てることもできます。ベッド、もしくはソファー分の場所をとらずに済むため、部屋をすっきりさせたいときにも有効です。

・リクライニングソファー
ソファーベッドとまではいきませんが、通常のソファーチェア型をしているリクライニング機能つきのものをリクライニングソファーと呼びます。リクライニングつきソファーベッドとの違いは、椅子としての役割の方へ重点が置かれている点です。クッション性を抑えて、完全に寝転ぶより座った状態でのリラックス感が追及されています。また完全に倒さず、途中の段階で固定して好みの傾斜を楽しむ上でも魅力的です。仮眠や読書、寛ぎながらの一杯など、さまざまなシーンに活かせます。

・コーナーソファー
コーナーソファーは、その名の通り、コーナーがついたL字型タイプのソファーです。90度ほどに曲がったコーナーがあるため、それこそ部屋の角に設置する上で適していますし、また中心部であっても、テレビを囲む形で置けるので家族だんらんの空間を演出できます。寛ぐためのソファーであるため、やはりこちらも比較的クッション性に富んだタイプが多く、食後のリラックスタイプや仮眠時のベッドとしてなど、さまざまな安らぎたいシーンに重宝します。3人掛け、4人掛けなど家族の人数に合わせて選ぶこともできます。

・デザイナーズソファー
かならずしもデザイナーが手がけたソファーという意味ではなく、実用性、デザイン性共にこだわられたものの総称となっています。ソファーは家の中でも中心的な位置に置くことが多く、また面積も大きい存在であるため、部屋に印象に影響しやすいです。その点、デザインにもこだわられたソファーなら、空間のインテリア性もぐんと押し上げられます。また一部デザイナーズソファーはジェネリックソファーとも呼ばれており、それこそ、意匠権の切れた高名なデザイナーが生み出したもののデザインを復刻したタイプも多く存在します。純正品よりも比較的手ごろであるため、気兼ねなくハイレベルなデザインを生活に取り入れられます。

・オットマンソファー
ソファーにオットマンをプラスして寛ぐ使い方もありますが、そもそもセットになったタイプも人気です。そしてそうしたソファーとオットマンがセットになったものを、オットマンソファーと呼びます。オットマンとはいわゆる脚置きであり、脚を床に下ろさず前方に置くことで、一層リラックスできる姿勢が維持できます。主にソファーと同じ高さに作られており、絶妙な快適さに浸れます。

・カバーリングソファー
割と頻繁に模様替えを楽しみたい過程や、張り生地の衛生面にこだわりたいといった人なら、カバーリングソファーは便利に感じられることでしょう。これはソファーカバーが取り外し可能なタイプとなっており、気分に合わせて付け替えたり、また丸洗いする際に便利です。毎日のように座るソファーは、傷みがきやすかったり汚れやすかったりします。それこそ寝転んで寛ぐこともあるわけですから、衛生面は気になるかと思われます。その点、カバーリングソファーなら安心して使用することができます。

まとめ

このように、一口に椅子やソファーといってもさまざまな種類があります。
椅子やソファで部屋をおしゃれに演出するには、部屋のインテリアのテイストに合わせるようにしなければいけません。逆にいうと、どんな部屋の模様替えにも耐えうるような椅子やソファを選択すれば末永く使用できるというわけです。ヴィンテージ、インダストリアル、スタイリッシュどのような部屋に模様替えしようとも、しっくりなじむような椅子やソファが理想的といえるでしょう。
用途や特徴、形状によって名前が呼び分けられているので、欲しい椅子やソファーのタイプが決まっているようであれば、名称で絞って探してみると良いでしょう。
椅子やソファーが変わるだけで部屋の印象はガラッと変わります。部屋の雰囲気に合っているのはもちろんの事、座り心地、素材や形状、ソファーで言えば内部の構造も重要なポイントとなるはずです。
お店で相談する場合は、実際に座ってみて目で確かめ慎重に選んでいただけますが、ネットで検索する際は実際に欲しい商品の名前が分かっていればスムーズです。

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